とことん極める
名古屋港の近くに位置する「スーパーオートバックスNAGOYABAY(以下、SA NAGOYABAY)」は、中部エリアのフラッグシップ店舗。2025年には、「CAR SPORTS CITY & ARENA」をコンセプトにリニューアルを実施し、さらに楽しさにあふれた店舗へと進化を果たしました。
実はこの店舗、以前より「カーオーディオに強いショップ」として全国的に知られた店舗なのです。その立役者が、“天才オーディオインストーラー”と呼ばれる西村勉さんの存在。
そこで、SA NAGOYABAYの取り組みや、西村さんの音作りの極意を、西村さんご本人と副店長の早川誠(はやかわまこと)さんにうかがいました。
<お話を伺った人>
西村勉(にしむらつとむ)
“天才オーディオインストーラー”と呼ばれるオーディオカスタムインストーラー。パイオニア主催の「カーサウンドコンテスト」で入賞を重ね、業界では話題の人となった。
早川誠(はやかわまこと)
SA NAGOYABAY副店長で、カーAVアドバイザー。オープン時より在籍し、長くカーオーディオ販売に携わる。店舗全体をコントロールしながら、カーオーディオへの思いが強く、気軽に相談しやすいお人柄。
▲売場面積は3,000平米以上。品揃えもリニューアルでより強化された
▲スポーツカスタマイズパーツを扱うA PIT PERFORMANCE GARAGEもオープン
早川:洗車需要の高まりに応える形で、セルフ洗車場とベルトコンベア式の洗車機、拭き上げ場を新設しました。使用する水も純水を用いています。売り場で購入した洗車グッズを、すぐに試すことも可能です。また、洗車専門店の「Smart+1」も併設していて、プロによる洗車やコーティングも受けられるようになっています。
カーオーディオは視聴コーナーを拡大し、数多くの実機に触れてサウンドを体験していただけます。「大阪オートメッセ2026」に出展したデモカーのスバルWRX S4で、実際に車内で音響を体験できるなど、売り場を楽しんでいただけるよう力を入れています。
▲たくさんの製品が並んでいると迷ってしまうもの。そんな時はスタッフに聞くとそれぞれの特徴を教えてくれる
――SA NAGOYABAYといえば、カーオーディオへの強さが知られています。それはオープン当初から意識して築いたものでしょうか?
早川:はい、補足するなら「圧倒的に強い」、です(笑)。東は神奈川、西は神戸からもお客様にお越しいただいています。
名古屋をはじめとする中部エリアとその近隣の地域は、カーオーディオ専門店が数多く存在する激戦区です。それだけ多くのお客様が、より良い音を求めているということでもあります。その中で当店がオープンするにあたっては、カーオーディに強い店であることが欠かせませんでした。
SA NAGOYABAYは「SA千葉長沼店」「SA東雲店」に続き、3番目にオープンしたスーパーオートバックス。いずれもカーオーディオはとても強く、まずは追いつき追い越せから始まりましたね。
――オートバックスでは唯一、パイオニアの「GRAND RESOLUTION」シリーズを扱っていると聞いています。
早川:その通りです。GRAND RESOLUTIONは、パイオニアのフラッグシップに位置するハイエンドカーオーディオで、とても自然な音を再生できるのが特徴です。デモカーのWRX S4に搭載する「TS-Z1GR」は約80万円と高額な製品ですが、その価格に合う、あるいはそれ以上の価値を感じていただける性能を備えています。
▲デモカーのWRX S4に搭載されるGRAND RESOLUTIONのシステム(写真:オートバックス)
GRAND RESOLUTIONシリーズを扱うためには、パイオニアが定める設備や試聴環境に加え、専門知識と技術を備えたスタッフを配置する必要があります。その厳しい条件をクリアし、取り扱いを認められたのがSA NAGOYABAYです。
――デモカーのWRX S4について詳しく教えてください!
早川:このWRX S4は「NAGOYABAYスペック」とも呼ばれ、現車に最適な音響の調整が施されています。スピーカーやアンプも単に取り付けただけではありません。西村のセンスと技術によって細部まで美しい加工がされており、その仕上がりはひと目見れば違いを感じていただけるはずです。ぜひ音だけでなく、内装の完成度にも注目してみてください。
西村:WRX S4は各種センサーが搭載されているため、一般的なドアのデッドニング(防音・防振)を施せません。そのような制約の中で試行錯誤を繰り返し、完成度の高い音響環境を作れたと自負しています。
西村:そうだ、SA NAGOYABAYにはデッドニングをはじめとした音響加工を行う専用の工作室があります。これも当店ならではの特徴のひとつだと思います。また、内装の加工についても可能な限り外注に頼らず、私自身が手がけています。
▲さまざまな加工を行う西村さんの作業場。まさに「工作室」という雰囲気が漂う
――西村さんは複数回、カーオーディオコンテストで入賞した経験があると聞いています。
西村:パイオニアが主催していた「カーサウンドコンテスト」のことですね。第10回大会の「ピュアデジタルシステムクラス」で7位入賞、「デジタル/アナログシステムクラス」で4位入賞しました。
早川:多くのカーオーディオ専門店が参加するコンテストで、カー用品店であるオートバックスが入賞したのは快挙といってよく、専門店を騒然とさせ、界隈では大きな話題になりました。「SA NAGOYABAYはカーオーディオに強い」という評価を確立したのも、西村の入賞があってこそです。
――それだけ入賞が難しいコンテストなんですね。カーサウンドコンテストの審査基準はどのようなものでしょう?
早川:指定されたカーオーディオユニットとアンプを装着した車で、課題曲をどれだけ忠実に再現できるが評価されます。
西村:実は前年にも参加したのですが、その時は右も左も分からず、入賞は叶いませんでした。なので翌年は思いつく限りのアイデアを取り入れた、実験的な車で挑んだんです。
▲WRX S4の説明をする西村さん。実際に体験してみると極上の音響に驚かされた
――“実験的”というのは、具体的にはどのような?
西村:例えばスコーカー(中音域)とツイーター(高音域)の特徴を兼ね備えた、今でいうミッドウーファーのようなユニットを自作して装備しました。ピュアデジタルシステムクラスはアルファロメオ「156」、デジタル/アナログシステムクラスはトヨタ「カローラランクス」をベースに仕上げました。156は、当時の私の愛車です。
▲デモカーのWRX S4のシステムを体験して「いい音」を追求してみよう
――なるほど。近年ではDSPを用い、純正やそれまでの環境を活用するのが主流のようですね。
西村:それは現在のオーディオ環境によりますね。個人的にはメーカーオプションの高音質システムなどが装着された車両でない限り、DSPよりも先にユニットやスピーカーを交換した方が大きな効果を感じやすいと思っています。
製品の装着と調整が終わったら、「次はこうすると、音はこう変わりますよ」と、次のステップを提案させていただきます。
――たしかに実際に良くなった音を体験し、もっと良くできるなら、したくなりますよね。ちなみにこれまでで最もお金をかけた車両の総額は……?
西村:600万円くらいでしょうか。これは内装加工の工賃も含めた額で、カーオーディオ自体は120万円ほどだったと記憶しています。
――600万円! ぜひそこまで手を入れた音を体験してみたいですね。
西村:デモカーのWRX S4も同じくらいかかっています。SA NAGOYABAYにきたら、ぜひ体験してみてほしいですね。
<今回取材したお店>
スーパーオートバックスNAGOYABAY
住所:名古屋市港区木場町9-51
中部エリアのフラッグシップ店舗として、多くの人が訪れる。2025年11月には「CAR SPORTS CITY & ARENA」をコンセプトにリニューアルし、より楽しいお店に進化した。