カーオーディオの“音作りの秘訣”天才オーディオインストーラーがいる「スーパーオートバックスNAGOYABAY」(後編) カーオーディオの“音作りの秘訣”天才オーディオインストーラーがいる「スーパーオートバックスNAGOYABAY」(後編)

とことん極める

カーオーディオの“音作りの秘訣”天才オーディオインストーラーがいる「スーパーオートバックスNAGOYABAY」(後編)

中部エリアのフラッグシップ店舗「スーパーオートバックスNAGOYABAY(以下、SA NAGOYABAY)」。SA千葉長沼、SA東雲に続き、3番目にオープンした歴史あるスーパーオートバックスで、「カーオーディオに強い」ことで全国的に知られています。

前編「では、SA NAGOYABAYの特徴やカーオーディオへの取り組みについて紹介しました。後編となる今回は、「カーオーディオに強い」という評価の立役者、“天才カーオーディオインストーラー”の西村勉(にしむらつとむ)さんをクローズアップ。オーディオインストーラーとしてのこだわりや、音作りの秘訣についてうかがいます。

<お話を伺った人>

西村勉(にしむらつとむ)
“天才オーディオインストーラー”と呼ばれるオーディオカスタムインストーラー。パイオニア主催の「カーサウンドコンテスト」で入賞を重ね、業界では話題の人となった。

オーディオインストーラーの原点は父親のジムニー

――西村さんの経歴からお聞きします。昔から車やカーオーディオがお好きだったのでしょうか?

西村:子供の頃から好きでしたが、それはもっと車好きな父と兄の影響を受けてのことです。学生の頃、兄の助手席で聞いた「いいサウンドを聴きながら運転すると気持ちがいい」という言葉は、今でも強く印象に残っています。

――お兄さんの言葉が、カーオーディオを意識するきっかけになったんですね。

西村:そうかもしれません。運転免許証を取得後、まだ学生だったこともあり、父の愛車だったジムニー(JA型)を譲ってもらいました。

当時のジムニーは本格的なオフローダーとして高い性能を持っていましたが、快適性や静粛性は決して高くありませんでした。もちろん音響環境にも恵まれているとは言えません。

それでも少しでもいい音で音楽を聴きたいと思い、自分なりにオーディオユニットやスピーカーを交換するなど、試行錯誤を重ねていました。オーディオ機器メーカーでヘルパーとしてアルバイトを始めたのも、ちょうどその頃です。

――西村さんは現在、現行型のジムニーに乗られているそうですね。この車も音響に手を加えているのですか?

▲現在、西村さんが所有しているジムニー(JB64型)

▲現在、西村さんが所有しているジムニー(JB64型)


西村:はい。趣味と実益を兼ね、カスタムしています。かつて乗ったジムニーと比べると、現行型は格段に快適で乗りやすくなりました。それでも、音響面では決して有利な車ではありません。
だからこそ、ジムニーで納得のいく音や環境を作り上げることができれば、多くの学びが得られると思って挑戦しています。

――ちなみにオーディオ機器メーカーでのヘルパーとは、どのような業務でしょうか?

西村:カー用品店に出向いての、カーオーディオ販売のお手伝いなどです。ここで商品や音づくりに関する知識を身につけ、カーオーディオへの興味が一気に深まりました。

また、そこでの経験から「お客様の望みに応えるのがプロだろう。カーオーディオに関しては、なんでも知り、なんでもできるようになろう!」と強く心に誓いましたね。

大学卒業後はカーオーディオの専門店に就職して、基礎的な知識や内装の加工施術を身に着けました。

――次に出会ったのがSA NAGOYABAYというわけですね。

西村:はい。再就職先を探していると、偶然、SA NAGOYABAYがカーオーディオインストーラーを募集しているのを見つけました。

前職での経験もあったので、「オートバックスなら経営基盤もしっかりしているだろう」と思い、すぐに応募しました。ありがたいことに採用していただき、そのまま現在に至っています。

▲SA NAGOYABAY は2025年にリニューアル

▲SA NAGOYABAY は2025年にリニューアルし「CAR SPORTS CITY & ARENA」へ進化!


――西村さんは“天才カーオーディオインストーラー”と称されています。そのことについて、どう思われていますか?

西村:正直なところ、なぜそんなに評価していただいているのか、自分ではよくわかりません。でも、革の加工は得意ですよ!

――革の加工といいますと?

早川:大切なことです。西村は控えめな性格なので、かわりに私が説明しましょう!

<お話を伺った人>

早川誠(はやかわまこと)
SA NAGOYABAY副店長で、カーAVアドバイザー。オープン時より在籍し、長くカーオーディオ販売に携わる。店舗全体をコントロールしながら、カーオーディオへの思いが強く、気軽に相談しやすい人柄。

早川:オーディオインストーラーの役割は、カーオーディオの音を良くするだけだと思われがちですが、ユニットやアンプ、スピーカーの取り付けから内装加工まで、幅広い技術が求められます。

西村が天才と呼ばれる所以は、およそにオーディオインストーラーとしてすべての要素で、類い希なるセンスと技術を持ち合わせているからです

――もう少し、詳しく教えてください……!

早川:たとえば、素晴らしい耳を持ち、音に対して抜群なセンスを持つスタッフがいたとします。それだけで車内という特殊な環境の中で、理想の音を再現できるわけではありません

また、車を熟知し、出したい音を再現できる腕があっても、ただアンプをポンと設置するだけでは、お客様に感動していただくことは難しい。スピーカーを最適な角度に取り付けるには、内装を加工する技術と、「マニュアル通りで終わらせない」という姿勢が必要なんです。

▲音に対しての才能やこだわりに注目されがちだが、オーディオインストーラーは組み付けや加工の技術も重要

▲音に対しての才能やこだわりに注目されがちだが、オーディオインストーラーは組み付けや加工の技術も重要とのこと


早川:私たちの考える最高のオーディオインストーラーは、音に対してのセンスだけでなく、「どのように内装を加工すれば最良の音響空間を作れるのか」を理解し、車種ごとに最適な方法を見つけ出せる応用力を備えた人です。

さらに、アンプやウーファーを美しくレイアウトするデザインセンスや、加工した内装を違和感なく仕上げる技術も求められます。

――そこまでくると車内音響のスーパーマンですね。それが西村さんだというわけですか。

早川:その通り。理屈ではわかっていても再現は難しく、誰もができるわけではありません。くわえて西村は温和でやさしい性格をしており、お客様へのヒアリングも上手です。

――それは、ここまでお話しして伝わりました。

西村:いろいろと買いかぶりすぎですよ……。恥ずかしいので、もうこの話はやめましょう!

今後の目標は、オートバックス内でのカーオーディオコンテストを実施すること

――それでは西村さんが車内の音響を作るにあたって、心がけていることを教えてください。

西村:特別な味付けをした音ではなく、「自然な音」を作るよう心がけています。具体的には、車内で音楽を聴いていて、ついボリュームを上げたくなる。そして、どれだけ上げても、助手席の人と話ができる。それが私の考える、自然な音です。

――アンプを通さない生演奏や肉声みたいなものでしょうか?

西村:究極的には、そうですね。ただ現在のオーディオ技術をもってしても、本物の生演奏や肉声を完全に再現することは難しいと思っています。

▲もちろん、お客さんの好きな音が最優先

▲もちろん、お客さんの好きな音が最優先だが、おまかせされた場合は“自然な音”の再生に向いているユニットやスピーカーを勧めるそう


――「自然の音」を再現する極意や、感覚を磨くために意識されていることがあったら、教えてください。

西村:多くの音を「意識して聴くこと」でしょうか。オーディオから流れる音楽はもちろん、生演奏や自然の中で聞こえる音、街中の雑踏など、日常のあらゆる音に耳を傾けるようにしています。

心地良い音が聴こえたら、それは「どんな音」で「どうして心地良かったか」を自分なりに分析して、学習する。その積み重ねが、感覚を磨くことにつながるのだと思います。

▲新しいスピーカーが入荷すると、毎回「今度はどんな車に取り付けるんだろう?」とワクワクするという

▲新しいスピーカーが入荷すると、毎回「今度はどんな車に取り付けるんだろう?」とワクワクするという


――ためになります。これまで手がけた車の中で一番、印象に残っているのは、どのような車ですか?

西村:音響ではないのですが、お客様の希望で「CR-X」に「スープラ」の内装を組み込んだことですね。サイズも形状もまったく異なり、切ったり貼ったりしながら合わせていく作業は本当に大変でした。それでも最終的には、自分でも納得できる仕上がりにすることができました。

――スープラの内装を移植したCR-X……とんでもないカスタムですね。話を聞いて、断ろうとは考えなかったのですか?

西村:やれば実現できそうだと感じたので、「じゃあ、やってみましょう!」という感じでお引き受けしました。お客様に喜んでいただくことが、私たちの仕事ですから。

▲SA NAGOYABAYのデモカーとしてスバル「WRX S4」のオーディオを制作している

▲SA NAGOYABAYのデモカーとしてスバル「WRX S4」のオーディオを制作している


――早川さんが、西村さんの内装加工技術の高さやセンスを天才視する所以が、わかった気がします。それでは最後になりますが、西村さんが目標としていることを教えてください。

西村:インタビュー(の前編)でカーオーディオコンテストの話がありましたが、社外ではなくオートバックス内でカーオーディオコンテストを開催できたらおもしろいなと思っています

――それはおもしろそうですね。SA NAGOYABAYの他にも「カーオーディオに強い」と評判の店舗や、実際にカーオーディオコンテストで入賞を果たしている店舗もありますし。

西村:そうなんです。オートバックス同士で技術や音づくりを競い合うことで、店舗全体のレベルアップにつながると思います。

もちろん、お客様により良いサービスを提供できるようになるというメリットもありますが、個人的には純粋に全国の仲間たちと腕を競ってみたいという気持ちもありますね

あきらめる前に相談してみよう!

“天才オーディオインストーラー”と称される西村さん。その名に相応しいセンスと技術を持ち合わせていることに疑問を挟む余地ないはありませんが、今回のインタビューを通じて、一番の力は“お客様の残念がる顔を見たくない”というやさしさ、そして“望みがあれば、なんでも叶えたい”という意志の強さではないかと感じました。

カーオーディオに関する疑問や悩みはもちろん、西村さんならば「こんな内装を作ってもらいたい」という望みにも、前向きな姿勢で取り組んでくれるはず。「こんなの無理だよな」とあきらめる前に、まずは相談を持ちかけてはいかがでしょうか?

<今回取材したお店>

スーパーオートバックスNAGOYABAY
住所:名古屋市港区木場町9-51
中部エリアのフラッグシップ店舗として、多くの人が訪れる。2025年11月には「CAR SPORTS CITY & ARENA」をコンセプトにリニューアルし、より楽しいお店に進化した。

https://www.ab-aichi.co.jp/

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