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街中や旅先でカッコいいクルマに出会ったとき、思わずスマートフォンのカメラを向けた経験はありませんか?しかし、いざ撮影してみると「なんだかパッとしない」「ただ撮っただけの写真になってしまう」と悩んでいる方は少なくないはずです。
そこで本企画では、プロカメラマンの飯島隆さんを講師にお迎えし、スマートフォンだけでクルマを劇的にカッコよく撮影するテクニックを徹底解説します。カメラ初心者であるライターの山口が実際にプロの技を教わりながら、「スマホで映えるクルマ写真」の極意に迫ります!
こんにちは!ライターの山口です。
私はマニアックなほどクルマに詳しいわけではありません。でも、街中でカッコいいクルマが走っていると、つい目で追っちゃうんですよね。
そんなふうに「カッコいいクルマ」に出会うと、思わずカメラを向けたくなりませんか? 街で見かけただけでも写真を撮りたくなるのに、もし憧れのクルマを自分の愛車として迎えたら、絶対にスマホでパシャパシャと撮りまくってしまうはず。
ですが、わたくし「写真」についても全然詳しくありません。せっかくカッコいいクルマを目の前にしたとて、なんだか「ただ撮っただけ」のパッとしない写真になるのが常。
そんな私(と、同じ悩みを持つ皆さん)のために、今回は強力な助っ人をお呼びしました!
▲登場したのは飯島さん(写真・左)、それに喜ぶライター山口(写真・右)
■<お話を伺った人>
飯島隆さん
フリーのフォトグラファーとして活動。人物ポートレートからクルマ、自転車、風景まで幅広く撮影するオールラウンダー。特にクルマはメーカーのカタログ等にも写真が使われる腕前の持ち主。
やってきたのはお台場にある潮風公園。クルマはトヨタの「GR86」を用意してもらいました。(特別な許可を得て芝生内にクルマを乗り入れています)
山口:なんてカッコいいクルマなんでしょう!つい撮りたくなってしまうフォルムですね。
飯島:こういうクルマでドライブするのがロマンってやつですよね。
山口:今日は飯島さんに「スマホでいい感じにクルマの写真を撮るコツ」を教わるわけですが、本当に「いい感じ」になるんですか?私いつも自撮りするか、家で飼ってるねこの写真くらいしか撮らないんですけど…。
飯島:大丈夫!ちょっとした工夫で、写真はぐっとよくなっていくものですよ!ポイントは大きくわけて3つです。ひとつずつ一緒に見ていきましょう!
まずは、初心者が陥りがちな「残念な例」から見ていきましょう。
●アマチュア撮影(Before):自分の影が入り、全体的にのっぺり
▲山口撮影。自分の影が入り、全体的に平坦な印象
山口:普通に撮るとパッとしないし、自分の影まで入っちゃいました…。順光って難しいですね。
飯島さん:順光は、ボディの色を一番きれいに写す方法です。ただ、真っ正面から撮ると立体感が消え、撮影者の影も入りやすくなります。そこで立ち位置を変えて、ズームを使ってみましょう!
▲山口撮影。斜めから撮って立体感を出しつつ、自分の影を消した例
飯島さん:少し後ろに下がってズームを使えば、自分の影をクルマから外せます。さらに斜めの位置から構えれば、ボディのラインに陰影が出て、一気に立体感が生まれますよ。
山口:本当だ!影が消えただけでなく、同じ順光なのにクルマがグッと力強くなりました!
▲山口撮影。逆光の光を使って、雰囲気のある写真に
山口:太陽光がリアガラスに反射して、イイ感じかも! 最新スマホなら逆光でも暗くならず、雰囲気のある1枚になりますね。
「もっとカタログのようにカッコよく撮ってみたい」そう悩む山口ライターに、飯島さんがまず指摘したのは「カメラの高さ」でした。
飯島さん:写真は「自分が見慣れていない画角」で切り取るほど、インパクトが生まれてカッコよくなるんですよ。まずは、いつもの視線を捨ててみましょう!
▲「これくらいですか?」と思い切って地面近くまでしゃがみ込む山口
飯島さん:そうです!思い切って低く構えてみましょう。さらに、クルマの周りをぐるっと一周して、一番カッコよく見えるパーツを探すのも大事なポイントです。今回はこの「顔(フロント)」を、空と一緒に広く切り取ってみましょう!
▲山口撮影。クルマのバックもしゃがんで撮るとドラマチックに
山口:うお〜! 全然違う! クルマが地面をしっかり捉えている感じが出て、すごく強そうです!
飯島さん:いいですね! ちなみに、停車したタイヤを少しナナメに切るだけで、より立体感が出ますよ。「何か物足りない」というときにすぐ使えるテクニックです。
▲停車したときのタイヤの角度もアクセントになる
▲飯島さん撮影。こちらはフィルターなし。ガラスに周囲が写り込み、中が見えにくい
▲こちらはフィルターアリ。反射が消え、ボディや空の色が深く鮮やかに!
飯島さん:これは「PLフィルター」という偏光フィルターの効果です。スマホ用のクリップ型なら2000円台で手に入りますが、これ一つでガラスの反射を消し、ボディの本来の色をグッと引き出すことができます。
山口:本当だ、窓ガラスがクリアになって、中のシートまで見えますね!一気にプロっぽい質感になりました。
▲飯島さんが使用している一眼レフカメラ用のPLフィルター。スマホ用のも売られている
飯島さん:僕は常にこうした道具をいくつか忍ばせて、現場の状況に合わせて使い分けています。フィルターで物理的に光を整えた後は、スマホの編集アプリで自分好みの色味に調整してみるのも面白いですよ。道具と機能を組み合わせることで、スマホの限界を超えた「自分だけの1枚」が作れるはずです。
▲iPhoneの編集機能だけで、雰囲気のある仕上がりに!
山口:すごすぎる……!! さっきまで「スマホで上手に撮れた写真」だったのが、一気に「ポスターにしたいプロの作品」になりました!
飯島さん:今のスマホは、撮影されたデータの中にたくさんの情報を持っています。ほんの少し明暗や色味を整えてあげるだけで、スマホの限界を遥かに超えた『自分だけの表現』ができるんですよ。
▲最後に飯島さんが撮影してくださった「GR86」でお別れ!このレベル、みんなで目指していきましょう~!
執筆:山口真央
編集:高山諒(ヒャクマンボルト)