とことん極める
オートバックスと聞くと、豊富な品揃えを誇る総合カー用品店というイメージを持つ人も多いでしょう。しかし、オートバックスには、工具とDIYのセレクトショップ「クラフトメイク」やカーオーディオ特化型の「オートバックスオーディオテーラー」など、さまざまなジャンルに特化した店も多く運営しています。
そんな専門店のなかで特に異彩を放っているのが、横浜・新山下に店舗を構える「ASM YOKOHAMA(以下、ASM)」です。
▲ASMは首都高「本牧ジャンクション」をおりてすぐ、横浜市主要地方道82号沿いに位置する
多くの専門店はメーカーやブランドを問わずにショップの推す製品を扱う、いわゆるセレクトショップ形式ですが、ASMは「RECAROシート(以下、レカロ)」の販売とホンダ「S2000」のカスタマイズおよびASMオリジナルパーツの企画・販売のみを扱う異色のお店。
どうしてシート全般でなくレカロのみなのか? そしてホンダ車全般ではなくS2000のみに絞った専門店を始めたのか?
ASM推進部部長の金山新一郎さんに、お話をうかがいました。レカロを中心とした前編、金山さんとS2000のエピソードを中心とした後編の2回に分けてお届けします。
<お話を伺った人>
金山新一郎(かなやま しんいちろう)。
1995年に入社。
中古カー用品事業の企画担当者だったころにS2000とレカロに出会い、注力。「いつかS2000とレカロのお店をやりたい」と思っていた夢が叶い、2005年にASMをオープン。車好きの推しスポットとして世界中からユーザーが訪れるように。
▲壁面にまでずらりと並ぶレカロの数々は圧巻
▲なかなか実際に体感できないレカロに試座できるのが嬉しい
――体感シートを試座して座り心地を確認し、購入に踏み切るお客さんも多いのでしょうね。S2000とチューニングで知られるASMです。やっぱり売れ筋の中心はスポーツシートですか?
金山:いえ、お客様のほとんどは運転による疲労や腰の痛みを訴え、これを緩和できるシートを求めてご来店されます。レカロ社の担当者も「シートを購入した方の7~8割は、それ以前に装着していたシートが体にあわないという理由でご購入いただいている」と、話していました。
――純正シートは万人向けですから、どうしても体にあわない人が出てくるのですね
金山:レカロはスポーツフィールドでも有名ですが、その理念は、安全で快適に運転するためのシートを作ること。レカロのスポーツ活動は、より良いシートを開発するための手段に過ぎません。「運転中に感じる腰痛の原因は、今座っているシートかもしれない」と感じた方は、ぜひレカロを体感していただきたいですね。
▲ワッシャー1枚で高さを変えたり角度を変えたりするだけで、驚くほど変わるそう
――車のシートは一度、装着したら、それでいいと思っていました。
金山:たとえば、ワッシャーを1枚、ベースフレームに噛ませるだけでも、座り心地に影響が出て、運転の疲れ具合も変わります。せっかくレカロを装着するのなら、しっかりと体にあった状態で乗っていただきたいと思います。
ちなみに、どうしても合わないと感じられた場合や、別のモデルに交換したい際は、買い取りのサービスも行っています。買い取ったレカロは、メンテナンス後に中古品として販売します。ほしいモデルが在庫しているかはタイミング次第ですが、「レカロを試したい」というお客様にオススメです。在庫はASMウェブサイトに掲載します。
▲淡々と語る金山さんだが、自身の熱い思いが言葉に滲む
金山:当時、仕事でさまざまな中古品を扱っていたので、あらゆるブランドのシートをS2000に装着して、何万キロと走って確かめたのですが、レカロは身体へのやさしさだけでなく、頑丈で耐久性が高いこともわかりました。オープンカーは過酷な使用環境ですが、ウレタンのへたりや紫外線による表皮劣化も納得できる範囲でした。
――そんな経験から、ASM YOKOHAMAというレカロ専門店が誕生したのですね!
金山:はい。品質、強度、耐久性など、あらゆる面で優れたシートなので、ぜひこれを販売するおお店を出したいと。すでに担当していた中古パーツ販売店がオートバックスグループでのレカロ販売実績TOP10を独占していたので、レカロ専門店を出店しても成立する勝算がありました。
▲先のデモカーS2000に装着されているASMLIMITED。赤いステッチが印象的だ
「ASMLINE」と「ASMLIMITED」シリーズは、ともに全国のオートバックスで購入することができます。質感・耐久性が高い黒ウルトラスエードと、色鮮やかな赤ステッチの組み合わせは本当に格好いいので、機会があればぜひご覧ください。
また、2023年~2025年まで全オートバックスグループで販売実績No.1だった「RS-G ASM LIMITED Ruby」を、210脚限定で再販売します。すでに多くのご注文をいただいているので、興味のあるお客様はお早めにご連絡いただければと思います。
▲店内に飾られている特大パネルのS2000は、金山さんの愛車がモデル
さて、冒頭でASMは「RECAROシートとホンダS2000のみを扱う」お伝えしたとおり、S2000のカスタマイズやチューニングに強いのも、ASMの顔のひとつです。後半では、S2000のカスタマイズとチューニングについて、金山さんのエピソードとともにお送りします。
<今回取材したお店>
AUTOBACS ASM YOKOHAMA
住所:神奈川県横浜市中区新山下2-4-7
2005年にレカロとS2000の専門店としてオープン。常時160脚以上のレカロシートを在庫するほか、S2000のタイムアタック車両製作を通じて様々なオリジナルパーツを製作・販売。そのパーツやノウハウを求めて世界中から注目されている。